プロセス ディスカバリー
人がビジネスプロセスを処理する過程を特定するオートメーション ソフトウェア
プロセス ディスカバリーとは
プロセス ディスカバリーは、人間がビジネスプロセスをどう処理するかを特定するための一連のテクノロジーやテクニックを指します
従来のプロセスマイニングの域を超え、プロセスで起きたイベントが記録されたシステム ログの間にある「ホワイト スペース」で何が起きているのかを判断します。ホワイト スペースでは、特定のクリック操作やファイル、ドキュメント、Web ページを開くといった、それらの間での情報の移動など、人間によりさまざまな操作が行われています。これらはビジネスプロセス イベント (請求書の支払いのためのさまざまなステップなど) を構成する要素です。
プロセス ディスカバリーの目的は、ビジネスプロセスの効率化です。機械学習と人工知能を活用し、組織に現在のプロセスを自動化するために必要なステップを示すことで、その目的を達成することができます。また、新たに自動化し、人事やカスタマー サービスなどの重要な業務を効率化できるプロセスも提案します。
プロセス ディスカバリーのメリットとは
プロセス ディスカバリーは重要なビジネスプロセスを自動化するのに適切な方法を提案します。このソフトウェアがユーザーとワークフローによる操作を記録し、ロボティック・プロセス・オートメーションなどのツールでそれらを最適化するための具体的な手順を示します。主なメリットは人間や IT システムによる具体的な操作手順の空白を埋め、業務が自動化できるようになることです。
そのため、組織がコストやエラーを削減し、より多くの業務をこなすために欠かせないツールとなります。また、実際に必要な作業が確実に行われるようにすることで、規制コンプライアンスやセキュリティのリスクも避けられます。手作業ではどうしてもこうしたリスクが生じるためです。具体的なメリットには以下のようなものが挙げられます。
RPA を導入すべき理由
生産性の向上
プロセス ディスカバリーで新たな自動化の取り組みを開始したり既存のオートメーションを改善したりすることで、企業は保険金請求処理などの重要な職務のパフォーマンスとクオリティを改善することができます。従業員は必要とされるさまざまな作業を自動化することで、プロセスをより迅速に完了させ、より多くの件数をこなせるようになります。
プロセス ディスカバリーで得られる成果の 1 つに、支払日の顧客への連絡など、常に遅延やプロセス完了件数の低下の根本的な原因となっている要素の特定があります。プロセス ディスカバリーはビジネス目標を達成するために自動化可能なすべての業務 (時間のかかるタスクを含む) を特定し、組織がそれらを自動化できるようにします。
プロセス ディスカバリーを使用すると、非常に複雑で多くのタスクを含むプロセスでも明確に把握できます。コンピューター ビジョンなどのテクノロジーを活用することで、プロセス ディスカバリーはプロセスの仕組みに関する比類ない可視性をもたらし、組織はそれを基に RPA を使用して、プロセスの改善と一貫性の向上を図ることができます。
プロセス ディスカバリーにより、組織は各プロセスで行われている具体的な操作を把握できます。この情報は、コンプライアンス基準が満たされているかを確認するうえで欠かせません。さらに、これらのステップを自動化することで、規制に確実に従い、違反による損失を最小限に抑えることができます。
プロセス ディスカバリーのもう 1 つの大きなメリットは、ビジネス ニーズに合わせてプロセスのスケーリングが可能なことです。このソフトウェアは各プロセスで具体的に何が行われているのかを明確に把握することで、合併・買収に伴う人事のスケール アップなど、ビジネスに必要なスケーリングを組織に具体的に示すことができます。
プロセス ディスカバリーにより効率性と効果性が増すことで、ローン申請処理や医療保険金請求などの顧客対応業務における顧客満足度もおのずと向上します。プロセス ディスカバリーと RPA を組み合わせることで、消費者と組織により迅速な結果と優れた解決手段がもたらされます。
プロセス ディスカバリーのユーザーとは
プロセス ディスカバリーはほぼすべての事業部門や業界でプロセスを加速させ、あらゆる業界の会計、人事、カスタマー サービス、マーケティングをはじめとするさまざまな部署で、RPA の準備や成果の向上に最適な手段となります。また、金融、保険、通信サービス、医療、コンタクト センター、IT サービスの分野でも広く使用されています。さらに、RPA の価値を最大限に引き上げるための優れた手段となるため、ほぼすべての RPA ユーザーが日常的に使用しています。
プロセス ディスカバリーは Microsoft Office スイート、ERP、CRM など、さまざまな種類のアプリケーションに統合できるため、非常に多くの業界や事業部門で活用されています。プロセスマイニング など、プロセスの改善に用いられる他のアプローチは、このようなシステムへの統合が難しかったり統合自体ができなかったりしますが、プロセス ディスカバリーは AI テクノロジーによりあらゆるツールや IT システムでユーザーの操作を記録できるため、使いやすく、非常にさまざまな用途に利用されています。
プロセス ディスカバリーは、ワークフローの中で自動化のメリットが最も発揮されるタスクを示すことで、通信業界に大きなインパクトを与えています。そのようなタスクは通常、顧客のオンボーディング、新しいサービス オプションや機能の案内、サービスの変更や更新手続きのガイドなど、顧客とのやり取りに関連したものになります。通信業界のカスタマー サービスにおける他のニーズとしては、連絡先情報や住所に関連した個人情報の変更が挙げられます。
保険業界では健康保険や住宅保険、自動車保険などさまざまな種類の商品が扱われています。プロセス ディスカバリーは支払通知の発行や請求または契約に関する書類の要求など、新たに自動化可能な顧客関連プロセスを特定できます。また、保険金請求の処理や見積もりの作成、保険料の割引額の判定など、新たに自動化可能なバックエンド プロセスの検出にも活用できます。
プロセス ディスカバリーはほとんどの組織の経理部でワークフローの迅速化に貢献でき、給与管理、貸借対照表の調整、経費処理、注文の履行確認、請求書に対する支払いの確認などで、プロセスを自動化する方法を特定するために頻繁に活用されています。また、支払いが必要な請求に関する顧客への通知や納税申告用紙の記入などにもよく使用されています。
人事部には非常に多くのワークフローがあり、新たなプロセスを特定し自動化することで非常に大きなメリットが得られます。特に面接の通知や履歴書の事前審査、身辺調査、採用通知の送付など、人材募集に関わる業務でプロセス ディスカバリーが効果的に活用されています。また、有給や休暇の申請処理、健康保険に関するニーズなど、福利厚生業務のサポートにも欠かせません。
コンタクト センターではエージェントがより迅速に顧客に対応できるよう、プロセス ディスカバリーが頻繁に使用されています。評価やトレーニング目的での顧客とのやり取りの記録、さまざまな IT システムの顧客情報へのリアルタイムでのアクセス権の付与、リクエストに応じた顧客データの更新などへの活用がその例です。また、アップセルやクロスセルの機会に関する情報を提示し、収益増加を図ることもできます。
金融・証券業界は従来 RPA が最も多く活用されてきた業界の 1 つで、その延長としてプロセス ディスカバリーも非常に広く導入されています。特にこの業界で重要な事例が、規制コンプライアンスです。金融組織はバーゼル II や KYC などの世界的な要件をはじめとする数々の協定に従わなければなりません。プロセス ディスカバリーと RPA は、そのような要件にエラーなく適時かつ確実に従い、罰則金の支払いを避けるうえで欠かせません。
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プロセス ディスカバリーの始め方
従来のプロセス ディスカバリーへのアプローチは、3 つの段階に分けることができます。
1
記録2
分析3
自動化まずはユーザーによるそれぞれの操作を記録することから始まります。これにはマウスのクリックやさまざまなシステム間でデータを移動させるといった操作があり、新規顧客のオンボーディングなどのプロセスと同時に行われることもあります。
次に、プロセスやタスクを分析し、従業員の退社手続きを完了させるなどの目的を達成するうえで最も効果的な順序で優先順位を付けます。この際にどの操作が自動化できるかを評価することができます。そして得られた結果を、対象となるワークフローの目標を達成させるうえでの重要性に基づき分類します。これにより、ユーザーがどのプロセスから自動化し、それにより実行される特定のプロセスにどのような効果がもたらされるのかを把握できるようになります。
最後に適切なプロセスを実際に自動化します。これは特定されたタスクやプロセスを基に、実際に効果的な対応が取られる、プロセス ディスカバリーの中で最も重要な段階の 1 つです。プロセス ディスカバリーの真のビジネス バリューがここで発揮されます。
今日では、Automation Anywhere Process Discovery でプロセス ディスカバリー自体を自動化することで、エンド ユーザーはこのプロセス ディスカバリーと RPA を処理するための手作業のアプローチをスピーディに進められるようになりました。Process Discovery は繰り返しのプロセスにおける人間と IT システム間の対話的なやり取りを観察して記録し、自動化対象業務を特定することで、自動的に Bot を作成できます。プロセス ディスカバリーに RPA と Process Discovery を組み合わせて、最新化することで、ビジネスユーザーやカスタマー サービス エージェント、人事担当者、経理専門家など、必要とするすべての従業員が自らワークプレイスの自動化を行えるようになります。