RPA の導入

準備

主な RPA リーダーRPA スポンサーと RPA ヴァンジェリストという 2 つのタイプのリーダーが非常に重要な役割を果たします。

RPA スポンサーは、組織内の上級幹部レベルの RPA 支持者です。予算決定に影響力を持つ人物です。

RPA エバンジェリストはプロジェクト リーダーです。関連する事業部門や部署のリーダー間のつながりを構築し、連携させて、オートメーションに適したビジネスプロセスを見極める人物です。

まずオートメーションの候補となるビジネスプロセスを特定します。

RPA に着手するにあたり最適なプロセスは、高い事業価値を生むプロセスです。ローリスク・ローリターンのプロセスは、RPA のビジネス ケースの証明がかなり難しくなるので避けましょう。

成功の条件を定義します。

解決する必要がある問題は何でしょうか? どのようなメリットを得たいと考えていますか? 初めから適切な目標成果を設定しておくことで、RPA の導入全体の成功に向けた準備が整います。RPA の成功の条件および目標の例を紹介します。

• コスト削減
• コンプライアンスの強化
• 生産性の向上
• 従業員エンゲージメントの向上
• 競争力、アジリティ
• ビジネスプロセスの精度の向上

RPA ベンダーとの協力

RPA ベンダーの選択と協力

• 長期的な視野で考えることです。市場およびビジネス モデルは急速に進化しています。RPA ベンダー パートナーを選ぶ際には、パートナー候補の実績と、テクノロジーの進歩に合わせて順応・革新していく姿勢に注目してください。
• ユーザー エクスペリエンスを優先しましょう。機能だけでなく、使いやすさも評価してください。RPA は、ビジネスユーザーたちが自分でオートメーションを実現できて初めて成功したと言えます。そのため RPA ソフトウェアは、技術的に高性能なだけではなく、極めて使いやすいものである必要があります。
• サポートを活用しましょう。企業の成功を中心に据えた、包括的な RPA サポート モデルが提供されているか確認しましょう。
• 何よりセキュリティが優先です。RPA はお使いのシステムや機密データとのやり取りを行います。セキュリティに関する情報を吟味し、質問があればお問い合わせください。検証済みの、エンタープライズ グレードの安全性の高い RPA プラットフォームのみを採用するようにしてください。
• 大規模な RPA を検討しましょう。RPA は需要の急速な増加への対応に最適です。ただし、使用されているテクノロジーが即座にスケーリングできることが前提となります。
• 継続的な学習の必要性を認識しましょう。提供されるトレーニングや、RPA に関する知識を深める機会を入念に評価しましょう。

PoC (概念実証)

RPA PoC の目的

PoC は、お客様独自の事業環境やニーズに RPA が適切であるか検討するために行われます。

RPA はすでに実証済みのテクノロジーですが、果たしてお客様独自のビジネス ニーズを満たすことができるでしょうか? PoC の価値は、お客様独自のビジネス ケースにおける条件を基に、導入モデルを検証するところにあります。

RPA PoC に向けた自動化にふさわしいプロセスの特定方法

できるだけ多くの主要なテクノロジー システムやアプリケーションを取り入れた、大きなメリットを生むプロセスを選びます。

RPA パイロット試験

RPA の試運転を成功させましょう。

RPA PoC の次は,業務環境での RPA のパイロット試験です。つまり、自動化されたプロセスを日々の業務に組み込みます。RPA パイロット試験は、お客様が選択した要件、デザイン、テストからなる導入モデルに従って行われます。

パイロット試験でのパフォーマンスを、あらかじめ定めた成功の条件とパイロット試験の終了要件に照らして評価します。

フィードバックを募ります。社内および社外の関係者からの意見を聞いて、スケールアップへの準備を整えます。パイロット試験から得られた知識を最大限に活用するよう努めてください。これは、幅広い RPA 導入に向けて組織があらゆる面で準備するのに役立つ情報となります。

RPA センター オブ エクセレンス (CoE)

RPA CoE とは基本的に、業務面および技術面の両方における RPA のリーダー グループです。CoE は RPA 導入のハブとして機能します。充実した RPA の専門知識に加え、適切に構成され、細かく調整された開発環境をすべての事業部門に提供します。

RPA CoE は、RPA を組織全体へとスケーリングするうえで極めて重要です。

この段階におけるもう 1 つの重要な要素が、ガバナンスです。RPA ガバナンスには IT 部門と共同で取り組むのが理想的です。

拡大

組織全体におけるオートメーションの役割をより広く、深く浸透させる段階です。この拡張を促進するために、CoE は RPA 導入の成功と目標について伝達し、デジタルワークフォースの最適化を図り、自動化のためのビジネスプロセスを特定かつ見極め、ベストプラクティスを確立させ、継続的にチームのリソースを拡大させ専門知識を発揮することです。

事前に構成された Bot およびデジタルワーカーもまた、迅速な RPA のスケーリングに役立つリソースです。

デジタルトランスフォーメーション

RPA が組織の DNA の一部になります。より複雑なプロセスを自動化することで、従業員や会社の仕事の本質が変わります。RPA は、デジタルトランスフォーメーションの主要な成功因子ですが、これはビジネスプロセスを「デジタルトランスフォーメーション」へと進展させるだけでなく、より複雑でインテリジェントなビジネスの拡張や変革を実現するためのステージを設定することによって、トランスフォーメーションを実現します。